登壇経験ゼロの筆者が視聴者数6000人超のセミナーに登壇!視聴者の満足度を向上させた2つの改善ポイント

はじめに

こんにちは、コネクリです!
みなさんは、セミナー登壇について、こんな悩みをお持ちではないでしょうか?

「セミナーの登壇を依頼されたけど、参加者に満足してもらえるか不安・・・」
「どうしたら参加者の満足度を上げられるのかわからない・・・」

そのお気持ち、痛いほどわかります。
なぜなら、つい数年前の私も同じ悩みをもっていました。

私は個人的に日々ブログやX(Twitter)、YouTubeにて、PhotoshopとIllustratorを使った作例を発信しています。

その活動の延長として、ありがたいことに「Adobe MAXのショートセッション」や「Firefly Camp」、お申し込み数が6000人を超えた「朝までイラレ」など、リアルまたはオンラインのセミナーに登壇する機会をいただけるようになりました!

しかし、初めてセミナー登壇にお声がけいただいた際は内心「参加者の方に満足してもらえるかな…」と不安でした。

そこで本記事では、初回登壇時の自分に伝えたいセミナー準備のノウハウと、セミナー参加者の満足度を向上させるために行った改善策をご紹介します。

今までの登壇経験とセミナー後の参加者アンケートをもとに、何度も試行錯誤した内容を余すことなく書きました。

「人に何かを教える・伝える」という方の後押しになるような内容を目指して書いたので最後までぜひご覧ください!

※この記事は、アドビさんのPR企画「みんなの資料作成」に参加して書いています。

初回と直近のアンケート結果の比較

まずは私が実際に登壇したセミナーの、参加者アンケートの結果をご覧ください。
以下は登壇初回と直近のオンラインセミナーのアンケート結果の比較です。

自賛するようで恐縮な上に、テーマや状況が異なるため同じ条件ではありませんが、改善されたことが見てとれます。

特に「理解できた」の項目の数値が「3.2」→「4.8」と大きく向上しています。

これは、私が参加者の方から頂いたアンケートをもとに、参加者のセミナーへの理解度を高められるように試行錯誤した成果と捉えており、ここから何を改善したのかを具体的にご紹介します。

アンケート結果を受けて改善した2つのポイント

それでは、改善したポイントを大きく2つ、「ゴールの設定」と「セミナーの構成」に分けてご紹介します。

1.ターゲットを明確にし、具体的なゴールを設定する

セミナーに登壇する上で一番重要なことは、ターゲットを明確にし、具体的なゴールを設定することです。
ターゲットとゴールを明確にすることで主旨がブレにくくなります。

ターゲットについては、自分が話そうとしているテーマやセミナーに参加する目的から逆算し、どんな人が興味を持ってくれそうかを考えましょう。

自分以外に複数人の登壇者がいるようなセミナーでも、自分のセミナーに興味をもってもらうためにターゲットを考えることは重要です。

私の場合、自分の話す内容に興味をもってもらえそうな人として、自分のSNSアカウントのフォロワーさんを主なターゲットとしています。

結果的にはSNSでの集客もしやすくなり、興味を持ってもらいやすいためです。この集客についての話は後述します。

ターゲットが決まったらセミナーの「ゴール」を設定しましょう。
初回と直近のセミナーのゴール設定を例に挙げながら解説します。

▼初回のセミナー(2022年10月開催)
【光と色をコントロールすることで デザインのディテールを追い込む Photoshop & Illustrator】

このセミナーのゴールは、ずばり「PhotoshopとIllustratorの使い方を習得すること」です。

しかし、ツールの習熟度が参加者によって異なり、満足度にばらつきがでる結果となってしまいました。原因として考えられるのは、セミナーでどんな技術を学べるのかが曖昧だったためです。

具体的には、ツールの習熟度が低い方にとっては、基本的な使い方が分かってないと理解が難しく、ツールの習熟度が高い方にとっては、すでに知っている情報が多い、といった具合です。

また、「PhotoshopとIllustratorの使い方を覚える」をゴールとして実演に比重をおいたため、タイトルにある「光と色」については補足的な情報しか伝えられず、タイトルとセミナーの内容に乖離があったのも反省点の一つです。

そこで、最近行ったセミナーでは、「PhotoshopとIllustratorの使い方を覚える」というゴールをもう少し深堀りして具体化、セミナーのタイトルで、どのツールのどんな機能を使った加工方法を解説するのかをわかりやすくしました。

以下は、セミナー資料の扉絵です。
タイトルだけでも違いがわかっていただけると思います。

▼直近のセミナー(2024年3月開催)
【表現力アップ+効率化!描画モードで広がるFireflyの可能性】

このセミナーのゴールは、汎用性の高い描画モードの学習と描画モードで変更することを想定したFireflyの使い方の習得です。

私が実務でよく使っている「描画モード」をピックアップし、Fireflyで応用する方法をテーマに取り上げました。
そしてその機能を理解し、実務で使えるレベルになることをゴールとしています。

実用的なスキルの習得を具体的にゴールに落とし込んだことで、参加者の目的意識も明確になり、結果的にセミナーの満足度が向上しました。

2. 視聴者が理解しやすいセミナーの構成を考える

セミナー全体のゴールが決まったら、以下の4点を意識して構成を考えましょう。

①はじめにセミナー全体の流れを共有する
②ゴールを明確にしてセミナー全体を構造化する
③「実演」よりも必ず「理論」を先に説明する
④セミナー全体を簡潔にまとめる

こちらを意識することで、視聴者が理解しやすく、記憶に残るセミナーになります。

それでは具体的に、そのポイントについてみていきましょう。

① はじめにセミナー全体の流れを共有する

セミナーの最初では、まずセミナー全体の流れとゴールを共有しましょう。
視聴者にセミナーの流れを把握してもらうことで、自分が今どの部分を聞いているのか、次にどんなノウハウが解説されそうなのかが予想できます。

セミナーの構成を提示し、「知りたいことがきちんと説明されそうだな」と感じてもらうことで、安心して聞き続けてもらえるよう配慮しております。

また見出しとなるスライドでは、セミナーの進捗を提示することでどの程度進行しているのかを把握しやすくしています。

② ゴールを明確にしてセミナー全体を構造化する

セミナーでは「セミナー全体のゴール」と「各セクションごとのゴール」を設けることを意識しています。

例えば、【表現力アップ+効率化!描画モードで広がるFireflyの可能性】ではこのような構成にしております。

セミナー全体のゴールに結びつけるための構成として、まずはセミナー全体を「理論」「実演」「応用」「まとめ」の4つのセクションに分け、以下のようにゴールを設けました。

セミナー全体のゴール

汎用性の高い描画モードの学習と描画モードで変更することを想定したFireflyの使い方の習得

各セクションごとのゴール

❶ 理論:よく使う描画モードの種類と特徴の理解
❷ 実演:❶で解説した描画モードの特徴を活かし、Fireflyを組み合わせた実際の使い方の習得
❸ 応用:❷で実演した方法以外の使い方の習得
❹ まとめ:主に❶の反復による記憶の定着

「理論」で解説した内容の具体的な使い方を「実演」し、使い方のバリエーションとして「応用」例を伝え、最後に「まとめ」で記憶の定着を目指します。

③ 実演よりも必ず「理論」を先に説明する

ここで、初回と直近のセミナー構成を見比べてみましょう。

初回のセミナーでは、なぜそんな加工をするのかといった意図や理由、つまり「理論」は「実演」の後に伝えていました。しかし直近では、「理論」は必ず「実演」よりも先に伝えます。

なぜなら「理論」を先に伝えることで、実演時の操作の意図や理由を理解してもらいやすくなり、より納得してもらえるためです。

初回は「実演」のあとの補足としての「理論」という構成のため、実演時の操作の意図が分かりづらいという反省点があり、現在はかならず「理論」を先に伝えて事前知識がある状態で「実演」を見ることができるようにしています。

初回と直近の構成を比較すると、構成にこのような違いがあります。

また、実演の前には、理論だけでなく、必ず完成イメージの共有とポイントの解説も行っております。

さらに実演する上で意識している点として、操作の前にこれから何を行うのか?という点とその意図を話すようにしています。

例えばツールの操作でオブジェクトを移動する場合、オブジェクトを移動しながら「オブジェクトを移動します」と話すのではなく、「これからオブジェクトを移動します。これはこのような意図です」と話してから操作しています。

開始・完成イメージの共有と注目してほしいポイントを先に話すことが、理解のしやすさに繋がります。

これもアンケートでいただいた内容をもとに改善しました。

④ セミナー全体を簡潔にまとめる

セミナー全体のゴールを改めて共有し、セミナーの前半で話した理論を中心に、改めて簡潔に話します。
そうすることで、参加者がセミナーの内容を振り返れるので、理解が深まり、記憶にも残りやすくなります。

ここまでの点を意識して、セミナーの構成を考えましょう。

【補足1】スライドを使ってセミナーの認知と集客を行う

考えたセミナー構成をもとにスライドまで完成したら、あとはセミナーに臨むのみ。
しかし当日、参加者がいなければ、せっかく考えた内容が誰にも届きません。
セミナーの認知と集客も、セミナーを成功させるための重要な要素です。
私自身、依頼されたから登壇して終わりというわけではなく、主催者様と二人三脚でセミナーを成功に導くということを常に意識しております。
そのため、セミナーの告知や集客も積極的に行っています。

セミナーの告知と聞くと、告知用の画像や文章を作って、・・・と大変なイメージがあるかもしれません。
しかし、新たに画像を作る必要はありません。
すでに作成したスライドが、セミナー集客に役立ちます。

スライドを集客につなげる方法のそもそものきっかけとなったのは2023年のAdobe MAXのショートセッションでご一緒したマスベさんのXでのpostです。

Adobe MAXはリアルセミナーだったので、マスベさんはセミナーの後日、登壇に使ったスライドをXに投稿していました。
SNS発信用にユーザーさんがブックマークしやすい内容のスライドを4枚でまとめていたことに非常に感心しました。

そこで集客につながるよう告知とは別の形でセミナーの内容を切り取ってSNSに投稿できるように、一つのコンテンツとしてまとめて流用できるようスライドを作成するようになりました。

セミナーの準備期間は忙しく、どうしてもSNSの投稿が減ってしまいます。
この方法であれば、画像を投稿するだけなので助かっております。

【補足2】スライドの配布にPDFを活用する

セミナーのアンケートで「スライドの構成やデザインが参考になる」というとても嬉しい感想をいただくこともあり、制作したスライドは必ず配布しております。

スライドはPDFで配布しています。
セミナーの内容によっては、スライドが30ページ超のボリュームになることがあります。
そんなときはオンラインで使える「Adobe Acrobat オンラインツール」が便利です。

こちらのツールでは、PDFのさまざまな編集が可能なのですが、そのなかでもPDFの軽量化には「圧縮」がおすすめです。

「高圧縮」「中圧縮」「低圧縮」と容量を調整することができ、前回オンラインセミナーで配布した資料の場合、もともと7.7MBの資料を以下のように圧縮することができました。

・ 高圧縮/2.5MB
・ 中圧縮/4.7MB
・ 低圧縮/5.0MB

PDFの受け渡しはオンラインセミナーでの配布に限らず、一緒に仕事を行うメンバーやクライアントへの送付など業務でもよく行うのでぜひご活用ください。

他にも、配布前にスライドを整理したいときに便利です。
スライドを配布する際、PRや補足のためにページを挿入したり、それによってページを入れ替える場合も、PDFデータのまま作業できます。

まとめ

以上が現在行っている、準備の裏側と満足度を向上させた改善ポイントです。

DIYで壁などを塗る際、「養生8割、塗り2割」という言葉があり、塗る前のマスキングなどの準備が重要とされています。

同様に、セミナーも丁寧な準備が重要です。
本記事が少しでもセミナーへの登壇や改善につながる後押しになれば幸いです!

コネクリ

ウェブデザイナーとしてキャリアをスタートして、スマートフォンの台頭によりUI/UX・ゲームデザインを担当、現在はインハウス寄りのアートディレクター兼デザイナー。
社内外のディレクション・ワイヤー設計・デザイン・コーディングを行う。
自社、受託ともにウェブ・アプリ・グラフィック・ゲームの実績多数。

個人サイトTwitterYouTubeにてPhotoshopとIllustratorの作例を発信中!

個人としての仕事は、動画制作『【アーティストに学ぶ】#33 Adobe Illustrator iPad版 xコネクリ – アドビ公式』、オンラインセミナー『朝までイラレ』『朝までフォトショ』、著書『デザインの仕事がもっとはかどるAdobe Firefly活用テクニック50』(インプレス)など。

詳しくはWorkにてご覧ください。

また、お仕事等のご依頼はContactよりご連絡くださいませ。

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PhotoshopやIllustratorの使い方についての書籍ではありませんが、イラストを主軸に活動している方は元よりデザインに関わるすべての方におすすめできる書籍です。

どちらかというと中~上級者向けの書籍で、光が色に及ぼす影響や配色の理論から技術的なテクニックまで根本から学べます。

私はディレクションすることも多々あり、今まで感覚的に伝えていた部分の言語化に大いに役立てることができました。

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