Illustratorでベクターイラストをアピアランスを使って水彩風に加工していきます。
水彩風加工の条件を、
1.質感
2.アウトラインの揺れ
3.色合い
としてイメージに近づくようアピアランスを使って実現していきます。
アピアランスで作成しておくことで他のイラストへの適用も簡単に行えるのでぜひご覧ください。
今回のアピアランスの構造のポイントは塗りのパターンをオーバーレイで適用、こちらがテクスチャとなっており水彩風の質感を表現しております。
まずはこのシームレスパターンの作成をPhotoshopを作成するところからはじめます。
IllustratorではPhotoshopで作成したパターンをベクター化します。
画像のままであれば画像トレースなどを行う必要がなく工程がもっとシンプルなのですが汎用性を考慮してベクター化しております。
雲模様のシームレスパターンは水彩風加工に限らず質感を出したいときに幅広く有効なので他のイラスト・デザイン制作などにも役立ちます。
制作の流れ
主な工程は以下のとおりです。
シームレスパターンの作成
Photoshop
- プリセットされているパターンの雲模様を150×150のドキュメントに配置
→雲模様のサイズは128×128 - CCライブラリ経由でIllustratorに送る
Illustrator
- パターンを配置して画像トレース
→カラー4色 - パスの単純化
- パターン化
→パターンオプションのサイズを128×128
→画像トレースの結果によっては重なりを調整
アピアランスで水彩風加工
Illustrator
- ラフでアウトラインに揺れ
- 光彩(内側)でアウトライン付近のコントラストを高く
- 先程作成したシームレスパターンで質感
→描画モード:オーバーレイ、不透明度:20% - 自然な色合いにするためオレンジの塗りを追加
→描画モード:カラー、不透明度:30% - コントラストが高いので白の塗りで明度調整
→描画モード:通常、不透明度:10% - グラフィックスタイルにアピアランスを登録、他のオブジェクトに水彩風加工を適用
※2.光彩(内側)はオブジェクトのサイズによって[ぼかし]の大きさを調整
※3,質感を強調したい場合は不透明度を高く
※4.5.は色の調整のため、オブジェクトの色を活かしたい場合は省いても可
制作ポイント
カラールックアップ
カラールックアップについて詳しく解説をしているので合わせてご覧ください。
ウェブデザイナーとしてキャリアをスタートして、スマートフォンの台頭によりUI/UX・ゲームデザインを担当、現在はインハウス寄りのアートディレクター兼デザイナー。
社内外のディレクション・ワイヤー設計・デザイン・コーディングを行う。
自社、受託ともにウェブ・アプリ・グラフィック・ゲームの実績多数。
本サイトやX、YouTube、Instagram、TikTokなどの各種SNSにてPhotoshop、Illustrator、Fireflyの作例を発信中!
個人としての仕事は、動画制作『【アーティストに学ぶ】#33 – アドビ公式』、オンラインセミナー『朝までイラレ』『朝までフォトショ』、著書『デザインの仕事がもっとはかどるAdobe Firefly活用テクニック50』(インプレス)など。
詳しくはWorkにてご覧ください。
また、お仕事等のご依頼はContactよりご連絡くださいませ。
おすすめ書籍
PhotoshopやIllustratorの使い方についての書籍ではありませんが、イラストを主軸に活動している方は元よりデザインに関わるすべての方におすすめできる書籍です。
どちらかというと中~上級者向けの書籍で、光が色に及ぼす影響や配色の理論から技術的なテクニックまで根本から学べます。
私はディレクションすることも多々あり、今まで感覚的に伝えていた部分の言語化に大いに役立てることができました。