
Illustratorで近未来風デザインやスチームパンク風デザインで使用できる複雑な歯車のような装飾をまあまあ簡単に作成します。
制作の流れ
主な工程としては、
- パターンブラシの原型を作成
- パターンブラシの作成
- パターンブラシを適用した円を組み合わせて複雑な歯車を作成
となります。
パーツさえ作ればあとは簡単に作成できるのでぜひお試しください。
制作ステップ
STEP1. パターンブラシの原型を作成
長方形と線と破線を組み合わせる
Illustratorの[長方形ツール]で長方形を配置します。

長方形の下にラインを引き、破線にします。
[線]パネルは以下のように設定します。
線幅:10pt 線端:線端なし
破線:10pt 10pt 10pt 10pt 20pt 20pt
「線分と間隔の正確な長さを保持」を選択
細かく破線などの設定値を載せておきますが正確に合わせなくても構いません。
雰囲気を合わせてもらえれば最終イメージに近いものが作成できます。

作成した破線を複製([選択ツール]でMac:option+ドラッグ/Win:Alt+ドラッグ)さらに破線を追加します。
破線を以下のように変更します。
破線:2pt 4pt 2pt 10pt 2pt 8pt

長方形の中に水色の線を追加で5本複製します。
色はわかりやすいように水色にしておきます(何色でも構いません)。
上から1本目 | 線幅:6pt 破線:30pt 30pt 30pt 30pt 60pt 60pt |
2本目 | 線幅:4pt 破線はオフにして直線に |
3本目 | 線幅:4pt 破線:40pt 20pt 60pt 20pt 40pt 40pt |
4本目 | 線幅:4pt 破線:4pt 4pt 4pt 4pt 8pt 8pt |
5本目 | 線幅:4pt 破線はオフにして直線に |

長方形の下部に小さな長方形を追加して台形にします。
追加した長方形を選択❶、ツールバーの[自由変形ツール]を選択❷、ツールオプションで[遠近変形]を選択❸します。

右下のアンカーポイントを左にドラッグすることで台形となります。

台形を複製して計4つ並べます。
一番右の台形は横幅を広げます。

アウトライン化して線を抜く
[選択ツール]で全体を選択します。

[オブジェクト/パス/パスのアウトライン]を選択してアウトライン化します。

続いて水色のラインを選択します。

アウトライン化した水色の線とその裏の長方形を選択、[パスファインダー]パネルで[前面オブジェクトで型抜き]を選択します。

こちらでパターンブラシの原型の完成です。

STEP2. パターンブラシの作成
作成したオブジェクトを選択して、[ブラシ]パネルの[+]を選択、[パターンブラシオプション]ダイアログを表示します。
[パターンブラシオプション]ダイアログを以下のように設定します。
名前:パターンブラシ4
方式:色相のシフト

STEP3. パターンブラシを適用した円を組み合わせて複雑な歯車を作成
[楕円形ツール]で正円を作成(Mac/Win:shift+ドラッグ)、先程作成した[パターンブラシ4]を選択、円を以下のように設定します。
塗り:なし
線幅:0.5pt

内側にもう一つ円を作成して以下のように設定します。
線幅:1pt
作成した2つの線の色を以下のように設定します。
R/0 G/72 B/158

作成した2つの円を複製します。
[選択ツール]で選択、コピー(Mac:⌘+C/Win:Ctrl+C)、前面へペースト(Mac:⌘+F/Win:Ctrl+F)、大きさをそれぞれ調整します。
作成した2つの線の色を以下のように設定します。
R/0 G/159 B/232

こちらで完成です!


ウェブデザイナーとしてキャリアをスタートして、スマートフォンの台頭によりUI/UX・ゲームデザインを担当、現在はインハウス寄りのアートディレクター兼デザイナー。
社内外のディレクション・ワイヤー設計・デザイン・コーディングを行う。
自社、受託ともにウェブ・アプリ・グラフィック・ゲームの実績多数。
本サイトやX、YouTube、Instagram、TikTokなどの各種SNSにてPhotoshop、Illustrator、Fireflyの作例を発信中!
個人としての仕事は、動画制作『【アーティストに学ぶ】#33 – アドビ公式』、オンラインセミナー『朝までイラレ』『朝までフォトショ』、著書『デザインの仕事がもっとはかどるAdobe Firefly活用テクニック50』(インプレス)など。
詳しくはWorkにてご覧ください。
また、お仕事等のご依頼はContactよりご連絡くださいませ。
おすすめ書籍
PhotoshopやIllustratorの使い方についての書籍ではありませんが、イラストを主軸に活動している方は元よりデザインに関わるすべての方におすすめできる書籍です。
どちらかというと中~上級者向けの書籍で、光が色に及ぼす影響や配色の理論から技術的なテクニックまで根本から学べます。
私はディレクションすることも多々あり、今まで感覚的に伝えていた部分の言語化に大いに役立てることができました。