人物と風景を組み合わせた多重露光エフェクトを使い、神秘的なデザインを作り上げます。
CONTENTS
リソース
制作の流れ
主な工程としては、
- 人物の切り抜き
- 人物と風景の画像を組み合わせて配置
- 人物と風景がマッチするようマスクをかける
- 色調を合わせる
となります。
基本情報
横1440(px)x縦1920(px)
最背面のレイヤーは黒(#000000)
今回はこちらの女性と螺旋階段の写真を合成して多重露光風の加工に仕上げていきます。
制作ステップ
STEP1. 女性を切り抜く
[被写体を選択]を使って女性を切り抜いていきます。
クイック選択ツールを選択してオプションバーの[被写体を選択]を選択します。
今回は被写体を選択だけではうまくいかなかったのでクイック選択ツールも使って選択範囲を作成します。
女性レイヤーを複製(Ctrl+J)します。
[レイヤー]パネル下部の[レイヤーマスクを追加]からマスクを適用します。
マスクを適用した女性レイヤーのレイヤー名を[右クリック]して[スマートオブジェクトに変換]を選択します。
女性がカンバスサイズに対して大きい印象なので自由変形(Ctrl+T)で縮小して位置を調整します。
切り抜き前の女性レイヤーは非表示にします。
STEP2. 切り抜いた女性と螺旋階段を配置
螺旋階段の写真を配置します。
配置した螺旋階段は、水平方向に反転(編集/変形/水平方向に反転)します。
水平方向に反転は、自由変形(Ctrl+T)→右クリックで[水平方向に反転]でも可能です。
まず配置調整を行いやすくするため螺旋階段レイヤーの不透明度を50%に、また女性レイヤーと螺旋階段のレイヤーを自由変形(Ctrl+T)や選択ツールなどを使ってなじむように位置や大きさを調整します。
女性の顔のラインと螺旋階段の曲線を合わせるよう調整しております。
位置を合わせたら螺旋階段レイヤーの不透明度を100%に戻します。
STEP3. 切り抜いた女性と螺旋階段にマスクをかけて合成
螺旋階段にマスクをかけて合成していきます。
[レイヤー]パネル下部の[レイヤーマスクを追加]から螺旋階段レイヤーにレイヤーマスクをかけます。
[ブラシツール]に持ち替えて[ソフト円ブラシ]で、合成に不要な部分を削っていきます。
顔と手が表示されるよう意識します。
ブラシは[Alt+マウスの右ボタンを押しながら左右に移動]でサイズを調整できます。
STEP4. 色調を合わせ多重露光風エフェクトの完成!
カラールックアップでトーンを合わせる
今回の多重露光エフェクトは最終的にモノクロにしますが、最終的な合成のクオリティを高めるためにカラールックアップを使ってこの時点で一旦女性と螺旋階段のトーンを合わせておきます。
[レイヤー]パネル下部の[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]から[カラールックアップ]を選択します。
[属性]パネル(Photoshop2021以降では[プロパティ]パネル)で、3D LUTファイル:TealOrangePlusContrast とします。
色相・彩度でモノクロに
調整レイヤーの[色相・彩度]を使ってモノクロに仕上げていきます。
[レイヤー]パネル下部の[塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成]から[色相・彩度]を選択し、[属性]パネルで以下のように設定します。
色相:215 彩度:10 明度:0
色彩の統一:チェック
彩度を0にすると完全なグレースケールとなりますが、彩度を10~20程度にすることで色相の値がグレーに足され、より自然なグレーになります。今回はグレーに青を少しプラスした色味にしております。
こちらで多重露光エフェクトの完成です!
制作ポイント
カラールックアップ
カラールックアップは簡単にいうとInstagramのフィルターのようなもので、簡単に写真の色調などを良い感じに変更することができます。私の場合は今回のように、合成時に複数の写真のトーンを強制的に合わせることに使ったりもします。
詳しい記事を作成しているので合わせてご覧ください。
ウェブデザイナーとしてキャリアをスタートして、スマートフォンの台頭によりUI/UX・ゲームデザインを担当、現在はインハウス寄りのアートディレクター兼デザイナー。
社内外のディレクション・ワイヤー設計・デザイン・コーディングを行う。
自社、受託ともにウェブ・アプリ・グラフィック・ゲームの実績多数。
個人サイトやTwitter、YouTubeにてPhotoshopとIllustratorの作例を発信中!
個人としての仕事は、動画制作『【アーティストに学ぶ】#33 Adobe Illustrator iPad版 xコネクリ – アドビ公式』、オンラインセミナー『朝までイラレ』『朝までフォトショ』、著書『デザインの仕事がもっとはかどるAdobe Firefly活用テクニック50』(インプレス)など。
詳しくはWorkにてご覧ください。
また、お仕事等のご依頼はContactよりご連絡くださいませ。
おすすめ書籍
PhotoshopやIllustratorの使い方についての書籍ではありませんが、イラストを主軸に活動している方は元よりデザインに関わるすべての方におすすめできる書籍です。
どちらかというと中~上級者向けの書籍で、光が色に及ぼす影響や配色の理論から技術的なテクニックまで根本から学べます。
私はディレクションすることも多々あり、今まで感覚的に伝えていた部分の言語化に大いに役立てることができました。